はしがき

 いままで多数の垣根を見てまいりました、今一つ気を使って施工してくれればと思われる垣根を見受けます。施工にあたって、其の材料の性質を踏まえた使い方があり、自然をも、考え合わせなければならないと思っています。    形だけにとらわれては、良い垣根はできないと思います。

 何にでも通じる事ですが、垣根も、基礎、骨組みが大事です。それは、作り手の知識及び、経験により、かなり差があるようです。 最近は、人工ものも出回り、当社でも販売しています。それはそれで見栄え、耐久性に関しては、素晴らしいものです。

 確かに、垣を頑固なもの あるいは 恒久的なものとしてとらえた時、竹は垣の材料としては最適とはいえないかもしれません。しかし 我々は垣を必ずしもこの様には受止めなかったはずです。特に外国の人は 竹、竹垣について日本の心を見出しているように、私たちも本来永久不変のものよりはむしろ、竹の清楚さ・繊細さ・優雅さを、そして其の変化の美しさを垣に求め、そのような垣の素材として竹を選んだと言って良いのではないでしょうか。竹は正月飾りをはじめ、祭事に多く使われています、それは竹には神が宿ると言われるからでしょう。

 青竹の緑が冴え、すがすがしい垣を結い上げて晴れの日を迎えるといった日本人が古くから受継いできた心遣い、それは新たな心を表すことであり、西欧の建築にみる 頑丈なドアや仕切壁などを思い浮かべるとき、そこには求め得ることの出来ない見事な心のはたらきが感じられます。日本人の持つ垣は 一つの心のけじめをもあらわす形として 確かに息づいています。そして、竹に心の安らぎ、天然のぬくもり、繊細な自然のしなやかさと思いやりをも、其の中に感じているのでしょう。

竹の垣根はおおよそ十年を目安としています、人生において、ふと自然の侘び、寂とのふれあいを感じる   40代、50代、せめてそれから、数回は違った趣で垣を新しくしたいものです。

平成9年3月5日 山十 (平成12年6月4日更新)

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