2011年10月29日の致知出版編集部発行のメルマガ掲載の文章を転載いたしました。
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『致知』2003年10月号より
「親父の小言」といわれる四十五の文章についてご紹介いたします。
「親父の小言」
青田暁知(大聖寺住職)
『致知』2003年10月号
特集「人生を支えた言葉」より
※肩書きは掲載当時です。
「親父の小言」をご存じでしょうか。ご存じない方でも、
「火は粗末にするな」「朝きげんよくしろ」
「神仏をよく拝ませ」「人には腹を立てるな」
「人に馬鹿にされていよ」「家業は精を出せ」
「年寄りをいたわれ」
……これらの言葉が全国の土産物の壁掛けや
温泉場の手ぬぐいなどに書かれ、売られているのを見た人は多いと思います。
実はこのもとになったのが私が住職を務める福島県浪江町、大聖寺の庫裡に掲げられた
「親父の小言」の四十五の文章です。
私の父・青田暁仙が昭和三年、三十三歳の時に書いたもので、私が物心ついた時にはすでに庫裡に掲げられていました。
私にとってはいずれも親しみのある言葉ばかりです。ただ、私は十一歳で父と死別しましたので、
この小言について父に深く聞くことは、ついにできないままでした。ですから、父がどういう思いを込めて
これらの言葉をしたためたのか、小言を言った親父とは、父の父である青田八郎のことなのか、
それとも自分の思いを架空の小言親父に託したのか。はっきりしたことは分かりません。ただ、小言の為書には
「親父生前中の小言を思い出して書きました。 今にして考えればなるほどと思うことばかりです」
の一文があります。青田八郎の言葉であることを裏付けているかのようですが、父は石田梅岩の石門心学について
熱心に勉強していたことなどを考え合わせると、あるいはその影響もあるのでは、とも考えられます。
実際、「家業は精を出せ」「たんと儲けてつかへ」など小言には梅岩の思想と共通する言葉も盛り込まれています。
昭和三十年代の半ば、この小言を町内の商店が商品にして売り出したのをきっかけに、評判が評判を呼んで全国に広がりました。
途中、新たな語句が加わったり、逆に本来の言葉が削られたりと、父のオリジナルとは随分異なるものになってしまいましたが
小言が広がったのは、何か人々の琴線に触れるものがあったからでしょう。
(後略。以下に45の文章をご紹介します)
火は粗末にするな・朝きげんよくしろ・神仏をよく拝ませ・不浄を見るな・人には腹を立てるな
身の出世を願へ・人に馬鹿にされていよ・年寄りをいたわれ・恩は遠くから隠せ・万事油断するな
女房のいうこと半分・子のいうこと八九はきくな・家業は精を出せ・何事もかまわずしろ
たんと儲けてつかへ・借りては使うな・人には貸してやれ・女郎を買うな・女房を早く持て
難渋な人にほどこせ・生き物を殺すな・年忌法事をしろ
義理は必ず欠くな・ばくちは決して打つな
大酒は呑むな・大めしを喰うな・判事はきつく断れ・世話焼になるな・
貧乏を苦にするな・火事の覚悟をしておけ
風吹きに遠出するな・水はたやさぬようにしろ・
塩もたやすな・戸締まりに気をつけろ・
怪我と災は恥と思へ
物を拾わば身につけるな・
小商ものを値切るな・何事も身分相応にしろ・
産前産後を大切に・小便は小便所へしろ
泣きごとは必ず云うな・病気は仰山にしろ・人の苦労を助けてやれ・不吉は云うべからず・
家内は笑ふて暮らせ
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